公益財団法人 札幌市学校給食会公益財団法人 札幌市学校給食会

Sapporo School Lunch Association

給食会ニュース

「第70回 全国学校給食研究協議大会 岡山大会」に参加しました

(公財)札幌市学校給食会  
常務理事 梅津 康弘  


 令和元年度の全国学校給食研究協議大会は、11月7日(木)と8日(金)の2日間の日程で、岡山県岡山市で開催。会場の岡山コンベンションセンターに、全国各地からの参加者が集いました。
 研究主題は、『「生きる力」を育む食育の推進と学校給食の充実』で、副題として「〜新時代に向けて 食で育てる 心も体も健やかなこども〜」が設定されていました。
《開会式の様子》

【概要】
(1)全体会 11月7日(木)
 ① 開会式
  ・挨拶他 ・次期開催県(熊本県) 2020年10月29日〜30日を予定。
 ② 文部科学大臣表彰 表彰式(学校給食優良校等)
 ③ 文部科学省による説明
《文部科学省による説明》
文部科学省初等中等教育局
健康教育・食育課長  平山 直子 氏

「学校における食育及び学校給食の充実」について

1.栄養教諭を核にした食育の推進
2.学校給食における適切な衛生管理
3.学校給食費の公会計化
4.災害時の学校給食実施体制の構築
《シンポジウム》
④ シンポジウム
子どもたちの望ましい食習慣の形成をめざして
〜学校給食摂取基準を生かした栄養管理と食育〜

《シンポジスト》
・神奈川県立保健福祉大学 学長
  中村 丁次 氏

・総社市総社中学校 栄養教諭
  光畑 和美 氏

・岡山県教育庁保健体育課 指導主事
 (主幹)  鈴木 美穂 氏

《特別講演》
⑤ 特別講演
「子どもの歯はふしぎがいっぱい」

歯学博士   岡崎 好秀 氏

※国立モンゴル医科大学客員教授
 岡山大学病院スペシャルニーズ歯科センター診療講師
 専門:小児歯科(障がいを持つ子供を中心に診療)


(2)分科会 11月8日(金)  岡山コンベンションセンター
  第5分科会「学校給食における地場産物・国産食材の活用」
  ○富山県高岡市、京都府京田辺市、岡山県和気町の取組事例の発表後、全体で研究協議


【分科会に参加して】

 どの取組も大変すばらしいもので、地産地消や伝統的食文化の継承など様々な分野で成果も上がっており、栄養教諭をはじめ、生産者やJA、行政など関係者の熱意が感じられるものでした。
 その一方で、昨年も感じたところではありますが、今回の報告事例は比較的小規模な事業体であり(学校数で数校から十数校、食数で1000〜13000食程度)、札幌市とは規模や食材確保の仕組みの違いなどがあることから、取組事例をそのまま取り入れることには課題が多いです。
 また、地産地消については、当給食会は、従来からクリーン青果物及び地場産青果物の購入に積極的に取り組み、札幌市内、札幌近郊、道内、更には全国各地の生産物に目を向けて食材の確保に努めていて、かなり頑張っているのではとの思いをさらに強くしました。

《分科会会場》
《分科会の様子》

【大会全体を通して】
 学校給食にかかわる全国規模の研究協議大会に、昨年に引き続き参加してきました。
 分科会の状況は前述のとおりですが、「学校給食における地場産物・国産食材の活用」については、農家の高齢化・担い手不足により食材を安定的に確保できるのか等の課題はあるものの、学校給食に求められる安全安心といった面で、保護者や子どもたちの大きな支持があると考えられること等から、大きな流れは変わらないものと思いますし、更に積極的に取り組んでいくべきものと考えます。
 一方で「食品ロスの削減」については、「食品ロスの削減の推進に関する法律」がこの10月1日から施行されたこともあり、今後は、様々な分野で食品ロスの削減に向けた取り組みが、今まで以上に求められるものと思われます。
 しかし、学校給食の現場では、例えば規格外の青果物の使用という課題一つをとっても、生産者、保護者、調理現場等関係者の意識の違いがあり、流通の仕組みも整っていないと思われることから、すんなりとは進んでいかないのではと思います。
 そもそも学校給食は、予算と時間の制約がある中で、画一的ではあるけれど最大限栄養価の高い、しかもおいしい給食を提供してきましたが、最近では、他の分科会のテーマにもあるアレルギー対応、更にはハラール対応といった要望も出てきているとの報道もあります。
 画一的な給食と個別対応の給食、どこまで対応すればいいのか、対応できるのか、大変悩ましい問題ですが、学校給食に携わる関係者一同、知恵を出し合いより良い方向に向かっていければと思います。

公益財団法人 札幌市学校給食会

〒060-0002 札幌市中央区北2条西2丁目 STV北2条ビル6階
TEL.(011)211−3897 FAX.(011)211−3898